アロマテラピー ブログ㉝【精油:ベンゾイン】| 東京都練馬区 太陽堂
FROM 松井
練馬区 平和台の治療院より、、
新型コロナウイルス流行により、日々の暮らしに変化が現れて約1年。
『うちですごそう』
『在宅勤務』
など、自宅で過ごす時間が多くなった方もたくさんいらっしゃるでしょう。
私は2020年の秋、“ウィズ(with)コロナ”の真っ只中でアロマテラピー検定の勉強をしていましたが、その間ずっと、
『アロマテラピーって、ステイホーム期間にぴったりのセルフメンテナンス方法だ!!』と強く感じていました!
精油によって心身へのさまざまな効果が期待できますし、なにより自宅にいながら実践できますから♪
それに、ネット通販が発達した昨今では、色々なメーカーの精油を気軽に購入できます♪
不安や難しさを感じることの多い日々ですが、このブログを通して気軽に楽しめて役に立つアロマテラピー情報を発信していきますので、どうぞお楽しみに!
さて、今週は『ベンゾイン』という精油をご紹介します。
『アンソクコウノキ』という東南アジア原産の高木の樹皮に切り込みを入れると、樹液が空気に触れて固まり『樹脂』となります。
ベンゾインはその樹脂から抽出されます。
【ベンゾイン:概要】
学名:Stirax benzoin スティラクス・ベンゾイン または Styrax tonkinensis スティラクス・トンキネンシス
科名:エゴノキ科
産地:インドネシア、タイ
抽出法・部位:揮発性有機溶剤抽出法/樹脂
作用:鎮静、神経バランス調整、強壮、抗菌、抗痙攣、抗炎症、去痰、鎮痛、血圧降下、皮膚細胞成長促進、収斂
成分:酸類(安息香酸)、エステル類(安息香酸エチル、桂皮酸ベンジル)、アルデヒド類(バニリン)など ※産地や種によって、成分の種類や含有量の違いがある。
使用上の注意:妊娠初期は避ける。アルコールアレルギーや化学物質過敏症の人は注意して使う。
香り:バニラのような甘い香り
相性のよい精油:柑橘系(例:オレンジスイート、ベルガモット)・樹木系(例:ジュニパー・ユーカリ)・ハーブ系(例:ペパーミント)など、あらゆるブレンドに向いている。
※ 原液は粘性が高くて扱いが難しいので、アルコールで希釈して販売されることが多いです。
【香りについて】
『樹脂』系の香りはやや個性的な香りであることが多いのですが、このベンゾインも例外ではありません。
前述の通り、その香りは『バニラ』に近く、濃厚な甘い香りが長~く続きます。
このバニラのような香りは、その名も『バニリン』という成分によるもの。
バニラの香りの主要成分もこの『バニリン』。だから香りが似ているのですね。
ちなみに、天然物としては他に、
- ペルーバルサム(←バルサムという植物の樹脂からとれる精油の1つ)
- チョウジ(スパイスの1つ、別名クローブ)
にもバニリンが含有されているそうです。
ベンゾインは香りが強いので、単体で使うときも、他の香りとブレンドするときも、少量ずつ使うようにしましょう。
【効果】
ベンゾインの別名は
『安息香(あんそくこう)』。
その名の通り、『息(呼吸)を安らかにする』効果が心身ともに期待できる香りです。
心への働き:
エステル類の成分には鎮静(神経の興奮をしずめ、心と身体をリラックスさせる)作用が、
酸類の成分には血圧降下(血圧を下げる)作用があり、
それにバニリンの精神安定作用と甘い香りが重なって、深いリラクゼーションをもたらします。
心が穏やかなときは、呼吸もスムーズで穏やかですね♪
緊張やイライラが高まった時に使ってみましょう。
またベンゾインの香りは傷ついた心や寂しさ、孤独感も癒すと言われています。
お湯を張ったマグカップやお風呂にベンゾインを垂らし、芳香浴をしてみましょう♪
体への働き:
ベンゾインを含んだ蒸気を吸入するなどして呼吸器にアクセスすると、呼吸器の粘膜に鎮静作用が働き、粘液や痰の排泄が促されます。
また、エステル類の成分には抗菌(細菌の増殖を抑える)・抗炎症(炎症をしずめる)作用があります。
咳やたんが出る時はもちろん、風邪をひきやすい人にもオススメです。
さらに、ベンゾインのリラックス効果は、血液循環を促進してくれます。
冷えや血行不良を感じた時には、ベンゾインの香りを楽しみながらストレッチもしてみると効果的ですよ♪
肌への働き:
ベンゾインは『樹脂』から抽出されますが、この樹脂というものは、樹木の表面が傷ついたときに、その損傷部分を補修・保護する役割を持ちます。
その働きは人間の肌に対しても有効です!
傷を癒す作用、細胞の形成を促す作用があるので、肌荒れ、ひびわれ、乾燥肌や老化肌のケアにおすすめです。
また傷跡を目立たなくする作用も期待できます。
ミツロウやシアバター、キャリアオイルに1,2滴混ぜて保湿効果バツグンのスキンケアクリームを作ってケアしましょう。
※精油の濃度はボディ用で1%以下、フェイス用で0.5%以下が目安です。ちなみに、精油の瓶のドロッパーは、一滴0.03〜0.05mlが一般的です(使用前に確認することをおすすめします!)。
※『概要』にて記載の通り、アレルギー体質の方や化学物質過敏症の方は事前に安全を確認の上お試しください。
【3つのお役立ち!?情報】
1.粘性
前述のとおり、ベンゾインは精油の粘性がとても高く、純100%の状態では扱いづらいため、アルコールで希釈されて販売されているものが多いです。
希釈後とはいえ一般的な他の精油よりはドロっとしているので、瓶から出しづらいと感じることがあるかもしれません。
そんな時でも、瓶はふらずに精油が落ちてくるのをじっくり待ちましょう。
または、スポイトを使って瓶から出すのもおすすめです。
※瓶を振るのは、精油に刺激を与え、品質を劣化させる原因になるといわれています。
※希釈されていても、香りはかなり強いです!
2.色
ベンゾインは濃い茶色をした精油です。
私の実際の経験ですが、マグカップにお湯をはり、そこにベンゾインを落として香らせてみたら、使用後にマグカップの底に精油が茶色くこびりついてしまいました・・・
残念なことに洗っても落ちませんでした。粘性の高さと色の濃さから生じた現象です。
ですので、マグカップで芳香浴を楽しむときは、アロマテラピー用のマグカップをご用意するのをオススメします!
3.『保留剤』としての働き
そもそも精油は香り成分が『揮発する(=液体が気体になる)』ことで香りが周囲に広がります。
たとえば柑橘系の精油は香りがすぐに立って消えてしまうのですが、揮発スピードが遅いベンゾインを少量ブレンドすると、柑橘系精油の揮発スピードもゆっくりになり、長時間香るようになります。
なお、この香りを長続きさせる作用をもつものを『保留剤』と呼びます。
【最後に】
いかがでしたか?
かなり個性的な特徴を持つ精油・ベンゾイン。
お手持ちのラベンダーやオレンジなど、ポピュラーな香りを少しアレンジしたいと思われたら、追加の一本としてオススメしたい香りでもあります。
※ 甘い香りが苦手、という方には正直オススメできません。。。代わりとして、個人的には先週ご紹介したパチュリ等をオススメしたいです。)
バニラの香りがOKの方でしたら、単体使いも、ブレンド使いも両方楽しめますよ♪
おうち時間が長い今、心身を癒すご褒美としてお試しください!
参考文献:
・これ一冊できちんとわかるアロマテラピー 梅原亜也子 著(毎日コミュニケーションズ)
・アロマテラピーの教科書 和田文緒 著(新星出版社)
・最新!アロマテラピーのすべてが分かる本 小野江里子 著(ソーテック社)
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