アロマテラピー ブログ㉟【精油:ジャーマンカモミール】| 東京都練馬区 太陽堂
FROM 松井
練馬区 平和台の治療院より、、
今週と来週にわたり、太陽堂アロマテラピーブログでは『カモミール』をご紹介していきます。
『カモミール』というと、精油としてはご存じでなくても
- 実際に育てたことのある方
- お茶(カモミールティー)は飲んだことのある方
は多いでしょう。
今週は、ちょうど3月頃から開花が始まるハーブである『ジャーマンカモミール』をとりあげます!
一般的に『カモミールティー』に用いられるのは、このジャーマンカモミールなんです。
日本国内では、『ジャーマンカモミール』と呼ばれたり、語順が変わって『カモミールジャーマン』とも呼ばれたりします。
花粉症にも効果があると言われており、この季節にぴったりの精油です。
【ジャーマンカモミール:概要】
学名:Matricaria chamomilla (マトリカリア・カモミラ)
または Matricaria recutita (マトリカリア・レクティタ)
別名:カミツレ
科名:キク科 ※3月~6月に開花する一年草のハーブです。
産地:イギリス、エジプト、ドイツ、ハンガリー
抽出法・部位:水蒸気蒸留法/花
作用:抗アレルギー・抗炎症・鎮痒・鎮静・鎮痛・ホルモン調整・皮膚細胞成長促進
成分:α-ビサボロールオキサイド(オキサイド類)、β-ビサボロールオキサイド(オキサイド類)、カマズレン(セスキテルペン炭化水素類)、ビザボレンオキサイド(オキサイド類)
使用上の注意:
- キク科アレルギーの人は注意。
- 妊娠初期の人は香りを嗅ぐ程度までにする。
- 青い色をしているので、衣服等につけないように気をつける。
香り:花らしい甘さと薬草のような苦みを同時に感じる独特な香り
相性のよい精油:香りにクセがあるため、『相性のよい香りのブレンドを楽しむ』ことはあまり一般的ではありません。 ⇒ 体や肌への効果を高める目的でブレンドする精油を選ぶことが多いです。詳細は後述します!
【香りについて】
可愛らしい白い花をつけるジャーマンカモミールですが、その香りはなかなか複雑です(笑)。
と言うのも、『独特な薬っぽさ』を感じる方が多いのです。
ですので決して万民受けする『良い香り』ではありません。
ただし、精油の香りは、人によって、あるいは同一人物であってもその時の体調によって、感じ方が変わってきます。
『良い香り』と感じる時もあるかもしれませんし、使用を重ねることで新たな発見があったりします!
ですから、時期をずらして何度か試していただきたいです♪
カモミールのハーブティーと精油のジャーマンカモミール、元となる植物は同一ということもあり、個人的にはかなり近い香りだと感じています。
ジャーマンカモミールに対する私の第一印象は、お茶・精油ともに『変わった味・香り・・・』というもので、好んで飲んだり、香りを焚いたりしようとは思えませんでした。
しかし何度か試すうちに(歳をとったことも影響しているでしょうが・・・)、気付くと『これもよいかも!』と思えるようになっていました。
独特な香りの中に漂うフローラル感は、主要成分であるα-ビサボロールオキサイド(オキサイド類)、β-ビサボロールオキサイド(オキサイド類)などによると言われています。
香りの強い精油なので、ブレンドする時は少量から加えるようにしてくださいね!
【効果】
『ジャーマンカモミール』の『ジャーマン(German)』は、〈ドイツの〉という意味ですね。
その名の通り、ヨーロッパ、特にドイツの人々の暮らしの中で、長い間、その優れた薬効が支持されてきたそうです。
心への働き:
前述の通り、ちょっとクセのある香りであるため、一般的に心のケア目的では用いられません。
しかしながら、鎮静(神経の興奮をしずめ、心と身体をリラックスさせる)作用・抗うつ作用が認められています。
アロマテラピーは、自分が好き・心地よいと感じる香りで行うのが大原則です。
この精油の香りが好きな方は、芳香浴などお好きな方法でお楽しみください♪
体への働き:
含有成分であるオキサイド類の諸成分には抗炎症作用があります。
筋肉痛やリウマチによる筋肉や関節の痛みがある時、キャリアオイルに適量(濃度1%まで)を混ぜてマッサージしたり、アロマバスに用いたりするのがオススメです。
ブレンドしたい場合は、柑橘系の王道、オレンジスイート(⇒リンクはこちら)が香りのバランスをとりやすく、効能的にも適しています。
また、含有成分であるセスキテルペンアルコール類には弱めのエストロゲン様(女性ホルモンに似た)作用があります。
そのため、月経痛の緩和、月経周期の乱れの改善が期待できます。
効果を促すため、ゼラニウム(⇒リンクはこちら)やクラリセージ、イランイラン(⇒リンクはこちら)あたりの好きな香りとブレンドしてアロマバスを楽しんだり、キャリオイルとともにマッサージしてみましょう。
それから、カモミールジャーマンに含まれているセスキテルペン炭化水素類のカマズレンは抗炎症・抗アレルギー作用で有名な成分で、現代医療でも利用されている物質です。
※ちなみに、このカマズレン、花の部分に存在する「マトリシン」という成分が精油を抽出する工程中に変化することで生じます。
抽出元の植物やカモミールティーには含まれません。そして色は濃い青色です!面白いですね(^^)
花粉症などのアレルギー性鼻炎が気になる時には、お湯を入れたマグカップやアロマディフューザーで芳香浴してみてください!
アロマテラピーから離れてしまいますが、胃の不調時には、カモミールティーがおすすめです。
ヨーロッパでは、カモミールジャーマンが昔から常備薬として庭に植えられており、お腹の薬として飲ませていたそうです。
ペパーミントのハーブティーとブレンドするのも効果的で、味も美味しくいただけます♪
肌への働き:
カモミールジャーマンの抗炎症・抗アレルギー作用は、皮膚のケアにも有効です!
アトピー性皮膚炎などによるかゆみをケアしたい時は、メリッサとブレンドしてキャリアオイルやクリームに混ぜて患部に塗ってみましょう(※メリッサは皮膚刺激が出やすいので、使用量に注意しましょう)。
過剰な水仕事で手荒れたり、かゆみが出たときは、保湿成分の高いワセリンに混ぜて患部に塗るのがオススメです。
アレルギーによる肌のかゆみや痛みにも有効です♪
※オイルやクリームに混ぜた場合も精油の青い色は残るので、カモミールジャーマンの使用量に注意し、衣服への色移りには気をつけましょう。
また、精油(エッセンシャルオイル)ではありませんが、精油を作る工程で副産物として生じるカモミールジャーマンの『芳香蒸留水(フローラルウォーター)』もスキンケアにオススメです。
精油の有効成分が少量溶けており、化粧水として使えるので、肌や頭皮がかゆいとき、赤みが出た時などに、気軽に試してみて下さい。
【最後に】
ヨーロッパでは昔からヘルスケアに利用されてきたカモミール・ジャーマン。
精油としてだけでなく、さまざまな利用方法があるハーブです。
カモミールジャーマン精油の利用方法では、やはり肌への効果を狙った利用がオススメ・かつ人気です。
さて、今回は薬効的な作用をたくさんご紹介しましたが、ジャーマンカモミールに限らず精油を使う際に注意していただきたいことがあります👇
- 気になる体調不良や症状がある場合はアロマテラピーだけに頼らず、専門医を受診して下さい!
- すでに通院されていて、気になる方は、その精油を使っても問題がないか、主治医やアロマテラピーの専門家にお尋ねください!
個人的には、特に精油のホルモン様作用は要注意だと思っています。
日本においては精油は『雑貨』ですが、ご紹介したように、精油は心身への影響力をたくさん秘めています。
判断を誤ると、病状を悪化させたり、病院から処方されている薬の効果を下げてしまうこともあるそうです。
精油と親しむプロセスを通して、ご自分の心身の状態をよりよく知って、アロマテラピーを楽しんでいただければと思います♪
参考文献:
・これ一冊できちんとわかるアロマテラピー 梅原亜也子 著(毎日コミュニケーションズ)
・アロマテラピーの教科書 和田文緒 著(新星出版社)
・最新!アロマテラピーのすべてが分かる本 小野江里子 著(ソーテック社)
・医師がすすめる「アロマセラピー」決定版 川端一永・吉井友季子・横山信子(マキノ出版)
★「アロマブログ」は毎月第3・第4水曜日に配信予定です★
★太陽堂では皆さまのご意見・ご感想をいただけると大変ありがたいです★
↓ご意見ご感想はメールでコチラまで↓
info@taiyo-dou.com