むくみのブログ⑥ 正しいむくみの対処法【圧迫】その1

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 FROM 嵯峨野 都  平和台の治療院より、、  

 

前回はむくみの対処法基本中の基本!【挙上】について取り上げてまいりました。皆さん、正しい【挙上】はできていましたか?

今回は【挙上】と並んで、むくみの対処法の基本ともいえる【圧迫】についてお話してまいります!

圧迫・・・つまり、むくんでいる部位を、圧のある着衣や包帯などを使用して圧迫することです。 

ソックスやストッキングタイプのものを弾性着衣、圧迫着衣、着圧ソックスなどと言いますが、ここでは「弾性着衣」の名称に統一して説明してまいります。

なぜ圧迫すると浮腫が改善するのでしょう?

むくみのブログ③の中の【原因③】にて、皮膚が伸びるとむくみが生じることを述べました。加齢により肌のハリが低下すると、皮膚はたるんで伸びるので更にむくみやすくなります。

むくむ部位は主に足。ならば弾性着衣を履いて、外側から皮膚が引き伸ばされないようおさえてあげれば良い!というわけです。

さらに、弾性着衣を履いた状態で運動を行うと、皮膚と筋肉の間に挟まれて走行する静脈やリンパ管を内側と外側の両方向から刺激するので、血液や水分をくみ上げる形になり、(これを筋ポンプといいます。)よりむくみが解消されやすくなります。

 

「弾性着衣はいつ・どれくらい履いたら良いの?」との質問もよく頂きます。人は多くの時間を立ったり座ったりしているので、重力により、足に水分が溜まりやすい状態です。なので、弾性着衣は就寝時以外はいつも履いていることが理想的。軽いむくみ程度なら、リラックスできる時間は外していてもかまいません。

逆を言えば、寝ている姿勢の時は足に重力の影響は受けないので、基本的には、就寝時に弾性着衣を履く必要はありません。前回のむくみブログ⑤を参考に、就寝時は足を挙上するとよいですよ。

 

ちなみに私は「弾性ストッキング・コンダクター」という資格を有しています。弾性着衣は、間違った着用や製品の選び方で逆にむくみが悪化することがあります。この資格は、適切な弾性着衣を選ぶアドバイスが行えることを示す専門資格です。

というわけで、ここからは適切な弾性着衣選びのポイントご紹介してまいります!

 

【弾性着衣選びのポイント①】医療用か?市販品か?

弾性着衣には、医療機器メーカーが取り扱う医療用のものと、薬局などで手に入る一般的な市販品があります。でも最近はネット通販で医療用の弾性着衣も気軽に購入できるようになりました。

医療用の弾性着衣は、圧迫圧が綿密に設計して作られており、むくみ軽減効果も高いです。お値段は4000円〜10000円以上ややお高め。一方、一般的な市販品「美脚」効果を売りにしたものが多く、医療用に比べて若干効果は劣るものの、最近の製品はなかなか優秀で、効果もしっかり期待できます!お値段は1000円〜2000とお手頃ですまずは市販品でお試し頂くと 良いかもしれませんね。  

 

【弾性着衣選びのポイント②】圧迫圧は自分に合っているか?

弾性着衣の圧迫圧は、おおまかに4段階に分けられ、それぞれむくみの原因や症状により適した圧の製品を選択します。ちなみに、圧迫圧を示す単位としてmmHg(ミリメートルエイチジー)hPa」(ヘクトパスカル)があります。医療用は「mmHg一般的な市販品hPaの表記が多いようです。ネットで調べたとこ1mmHg=1.333hPaだそう。以下を参考に、自分に適した圧迫圧を選ぶと良いでしょう。  

・20mmHg未満:健常者、深部静脈血栓症予防、静脈瘤の予防 など

・2030mmHg:軽度静脈瘤 など

・3040mmHg:下肢静脈瘤、静脈血栓後後遺症、上肢リンパ浮腫、軽度下肢リンパ浮腫 など

・4050mmHg:下肢リンパ浮腫 など

※各メーカーにより、圧数値の表示が異なる場合があります。

・・・つまり、下肢リンパ浮腫と診断された方が(むくみの程度によりますが)20mmHg未満の弾性着衣を使用しても、効果はあまり期待できないということです。なお、一般的な市販品の弾性着衣ほぼ健常者向けの20mmHg未満の圧です。それ以上の圧のものとなると医療用の製品になります。
たまに、静脈血栓予防用のソックスむくみ予防に使用している方がいらっしゃいます。
入院手術をされた際に処方されたものを使用してらっしゃる方が多いようです。確かに15mmHg 程度の圧なので、むくみの予防用としては適圧ですが、長さや厚みが合っておらず、生地が食い込いこんでむくみが悪化しているケースが見られます。こちらはあくまで静脈血栓予防用でありむくみ予防用としては適しておりませんので、使用は控えた方が良いでしょう。
 

【弾性着衣選びのポイント③】素材が自分に合っているか?

デリケートな肌の方は素材により、かぶれる方もいらっしゃいます。医療用の弾性着衣の中には、100%コットン素材のものや質感も種類が豊富で、幅広く選択できます。

 

【弾性着衣選びのポイント④】丈の長さは何がよいか?

膝下までの長さのハイソックスタイプ、太ももまでの長さの股下丈タイプ、腹部まで覆うパンティストッキングタイプなど・・・

丈の長さがいくつかありますが、むくみの部位や履きやすさにより選択します。健常者や高齢者のむくみは主に膝から下に現れるので、装着しやすいハイソックスタイプがおすすめです


リンパ浮腫など特殊な疾患による浮腫の方は、たとえ膝から下のむくみだけだとしても、股下丈またはパンストタイプの着用が理想的です。

 

【弾性着衣選びのポイント⑤】つま先ありか?なしか?

上の写真のように、 つま先まで生地で覆われているタイプが 「つま先あり」 ないものが「つま先なし」です。

一見「つま先あり」だと指先まで圧迫されてむくみが取れそう⁈ と思いがちですが、指先までしっかり圧をかけるのは難しく、むくみの改善しやすさの点では両者に差はないので、使い心地でお選びください。冬は寒いのでつま先あり、夏は暑いのでつま先なし使い分けている方もいます。

 

【弾性着衣選びのポイント⑥】着用しないほうが良い疾患は?

弾性着衣はむくみを軽減する一方、血流障害などの疾患をお持ちの方には、 圧迫をかけることで 問題が生じる場合があります。以下の症状の方は着用を控える、または医師に相談してください。

 ・抹消動脈閉塞 

・筋膜上のバイパスを圧迫する可能性がある場合

 ・重症心不全 

・圧迫用品のアレルギー 

・知覚障害や末梢血流障害を伴う重症糖尿病   

 

以上です!皆さん、自分に適した弾性着衣は見つかりましたか?
最後に選択方法と併せて、洗濯方法もご紹介!
 

弾性着衣は洗濯方法により劣化しやすく圧迫力が落ちて効果が半減してしまいます。適切な洗濯方法で劣化を防ぎましょう。

【洗濯方法】

手洗い、または洗濯機を使用する場合ネットに入れて洗いましょう。漂白剤、柔軟剤の使用は劣化が早まるので避け洗濯洗剤のみ使用しましょう。

 

 

次回も引き続き、 【圧迫】について説明してまいります!

 

 

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