むくみのブログ⑨ リンパ浮腫とは?その1

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平和台の治療院より、、

 

これまでむくみへの対処法についていくつか取り上げてまいりました。むくむ原因は色々あります。それぞれ適した対処をすることでむくみはより改善しやすくなります。

中でもリンパ浮腫という疾患によるむくみは、正しい理解と対処をすることがとても重要です。リンパ浮腫につきましてはこれまでも過去のブログで度々取り上げてまいりましたが、改めてリンパ浮腫についてくわしく説明してまいりましょう。  

 

リンパ浮腫は、リンパ液の流れが障害されて、腕や足にむくみが起こる疾患です。

身体には、血液を運ぶ血管(動脈・静脈)と同じように、 身体の老廃物を含んだ水分を運ぶリンパ管があり、 排水管の役目をしています。 またリンパ管の途中にはリンパ節という組織があり、 細菌、ウイルス、がん細胞などが体内での増殖を防ぐ役割を担っています。そのため、それらリンパの組織が障害されると老廃物の排水が滞り、リンパ浮腫を発症するのです。 

 

リンパ浮腫の発症原因はいくつかあります。

・原因①:癌が転移したリンパ節を手術で切除した。

 リンパ浮腫発症の原因として最も多いものです。特に乳がん・子宮がん・卵巣がんによるものが多いため、患者様の9割は女性です。大腸がん・前立腺がん・泌尿器系がんでも、リンパ節切除によりリンパ浮腫を発症します。  

 

 ・原因②:放射線療法を受けた。

  放射線療法により照射範囲内の皮膚下にあるリンパ組織がダメージを受けるとリンパ浮腫を発症することがあります。

 

 ・原因③:リンパ節にがんが転移した。

がんがリンパ節に転移すると、浮腫が生じることがあります。 

 

原因④:センチネルリンパ節生検を受けた。

乳がんの場合、がんの転移がないか確認するために、リンパ節の一部を採取する 「センチネルリンパ節生検」を行うことがありますが、それによりリンパ浮腫を発症することがあります。

 

原因⑤:事故などによる怪我で皮膚を挫傷した。

  挫傷によりリンパ組織がダメージを受けた事で、浮腫を発症することがあります。

 

原因⑥:リンパの発育に問題がある。

出生時~成長過程でリンパの発育に問題生じリンパ浮腫を発症することがあります(この場合一次性(原発性)リンパ浮腫といいます)。出生時より浮腫が発症する方もいれば、思春期、出産などのタイミングで発症する場合もあります。

 

以上、おおよそこれらの原因によります。上記の理由ではないむくみの方で、「リンパ浮腫と診断された」という方が時々いらっしゃいますが、 その場合はリンパ浮腫ではなく別の原因による浮腫かもしれません。 

 

むくみの起こる部位は限定されます。

乳がんならわきの下にあるリンパ節を切除した側の腕、 腹部や足の付け根にある鼠経リンパ節を切除した場合片足、もしくは両足にむくみが起こります。

  リンパ浮腫は障害されたリンパと繋がる部位に発症するため、両腕同時に浮腫が起きたり、腕と足同時に浮腫が起きることはありません。  

 

蜂窩織炎を起こすことがあります。

リンパ浮腫で一番やっかいなことといえば、なんらかの原因による細菌感染がきっかけで、蜂窩織炎という炎症症状を起こしやすくなることです。浮腫のある部位が赤くなったり、高熱が出たりします。症状が出るとなかなか治まりづらく、浮腫も更に悪化してしまいます。よかれと思って浮腫んだ部位を揉んだり、お風呂で温めたりすることで更に悪化してしまうので、絶対行わないでください!

少しでも異変を感じたら、リンパ浮腫専門医、もしくは皮膚科の受診をお勧めします。

 

リンパ浮腫は一度発症すると治りません。

リンパ節切除を伴う手術をしたからといって、すべての方がリンパ浮腫を発症するわけではありません。ただ、一度発症してしまうと生涯むくみと付き合ってゆくことになります。むくみの程度もひとそれぞれ。時には良くなることもあれば、悪化することもあります。 むくみと上手に付き合ってゆきましょう。

 

※近年日本では、リンパ管と静脈を繋いで浮腫を軽減する治療法「リンパ管静脈吻合術」という外科手術がさかんに行われるようになり、手術を治療の第一選択と考える方が増えてまいりました。ですが現在のところ、この手術によりリンパ浮腫が100%治るというわけではありません。

 

リンパ浮腫に適したマッサージ法「リンパドレナージ」。

「むくみのブログ② むくみはどうしてできるの?」 にて説明しましたが、リンパ管は体内で不要になった老廃物を含んだ水分を運んでいます。その成分は水だけでなく、不要なタンパク質や脂質なども含んでいます。

 

そのためリンパ管の働きが悪くなると、不要になったタンパク質や脂質が排出されず、むくんだ部位に蓄積されてゆくので硬いむくみになったり、ゆくゆくは 溜まった老廃物が脂肪に置き換わり、取れにくいむくみになってしまいます。そのため、リンパ浮腫の治療として一般的なマッサージよりもリンパの流れを促進する手技であるリンパドレナージが良いと言われています。

 

一般的なマッサージとリンパドレナージの違いについては、「むくみのブログ⑧ 正しいむくみの対処法【マッサージ】」をご覧ください! ただし、リンパ浮腫の治療はリンパドレナージだけではなかなか効果が出にくいのが正直なところ。リンパ浮腫の治療には、これまでも紹介してきたむくみの対処法である【挙上】【圧迫】【リンパドレナージ】の3本柱で治療してゆくのがベストです!

 

リンパ浮腫の治療は専門機関へ。

リンパ浮腫は、間違った指導によりなかなか改善しなかったり、悪化することも起こりうるものです。 正しい知識を持った医療従事者に、治療方針を立てて頂くことが何より大切です。

ひと昔前は、リンパ浮腫の認知が低く、治療を受けられる施設がなかなか見つからないという状況が続いていました。しかし昨今はリンパ浮腫外来も増え、専門的に治療してくれる施設も増えています。当治療院でも、リンパ浮腫に関するご相談を承っておりますので、 お気軽にご相談ください!

 

また、 リンパ浮腫の診断をしてくれる医療機関につきましては、廣田 彰男先生リンパ浮腫専門クリニック『広田内科クリニック』がおすすめです!

・・・というのも、私自身リンパドレナージセラピストとして長年勤務させて頂いております。廣田先生は浮腫治療の第一人者でありリンパ浮腫に関する著書も多数出版されています。リンパ浮腫にご興味を持たれた方は先生の著書を手にとられた方も 多いのではないでしょうか? リンパ浮腫の診断をしてくれる病院をお探しの方は、是非下記ホームページへお問合せください♪

広田内科クリニック ホームページ 

 

 

次回は、 リンパ浮腫患者様にありがちな リンパ浮腫に関する思い違い事例をまとめてご紹介いたします。

 

 

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